幸せの国として知られるブータン。GNH(=国民総幸福)の司法に基づいた国づくりが進められている。現地で最も多い死亡原因である胃がんは世界的に見ても死亡率が高い。ブータンの首都から200km以上離れたゲレフにある唯一の総合病院ではJICA(国際協力機構)と大分大学などが取り組む胃がん対策プロジェクトの一貫で先月、胃がん治療ができる最新の内視鏡が導入された。プロジェクトを率いるのは大分大学医学部の山岡吉生医師。胃がんの主な原因となるピロリ菌研究の世界的権威。山岡医師は「機械の導入でゲレフでも早期がんが見つかればオペで治るかもしれないし内視鏡でも切除することができる」と話した。山岡医師がブータンの胃がん対策に取り組むきっかけとなったのは、15年前に出会ったブータン前首相で医師のロテツェリン氏。ブータンの現状を知った山岡医師がツェリン氏の要請もあり協力することになった。ツェリン氏は「これからも日本と連携し学ぶことで明るい未来があると確信している」と語った。
医療の整備が立ち遅れているブータンでは医療機関の数も不十分で治療が手遅れになるケースが多くあった。山岡医師は胃がんの主な原因であるピロリ菌の検査を2010年から首都ティンプーや農村部で実施。その結果、約7割がピロリ菌に感染していることがわかった。さらにブータンで採取した検体を調べると、ほかの国よりも毒性が強い遺伝子を持つとみられることがわかった。山岡医師は「2010年の初調査で思っている以上に強い毒性のピロリ菌に感染していた。(住民の間では)胃がんがあまり知られていないし興味もない、内視鏡もないというのが最初に来たときの状況」と話した。全国民の検査体制の確立が不可欠と考えた山岡医師は日本政府の助成金も活用して、日本企業と共同で開発した独自の検査キットの現地生産を行う予定。検査キットは検体を含んだ液体1滴で約15分でピロリ菌の有無がわかる仕組み。国内での生産が可能になれば低コストで検査が可能になり、国の医療費の負担軽減も期待できる。山岡医師は「10分の1行かの値段でキットができると経済的に貧しい国でも(ピロリ菌の早期発見、治療が)できるのでは」と語った。
胃がんを早期発見し治療できる医師の育成も進めている。約2カ月置きに内視鏡医を派遣し、現地の医師に技術指導を行う。山岡医師も自ら指導に加わった。ブータンの内視鏡医は20人余りに増加。早期発見で胃がんが完治した女性は「治療を受けていなければ命がなかったかもしれない。とても感謝している」と語った。山岡医師は「がんと言われたら終わりという時代から『早期がんだから治る」 と、それを信じてくれるような国になるかな」と述べた。ブータン政府は山岡医師をはじめ日本からの支援に感謝を示している。政府としても国民に胃がんに関する正しい知識をみにつけてもらい健康を守ってもらおうと独自のキャンペーンを立ち上げるとしていて、山岡医師の取り組みとの相乗効果を図りたいとしている。山岡医師は同じように胃がんによる死亡率が高いモンゴルやインドネシアなど他の国でも同じような取り組みを広げていきたいと話していた。
医療の整備が立ち遅れているブータンでは医療機関の数も不十分で治療が手遅れになるケースが多くあった。山岡医師は胃がんの主な原因であるピロリ菌の検査を2010年から首都ティンプーや農村部で実施。その結果、約7割がピロリ菌に感染していることがわかった。さらにブータンで採取した検体を調べると、ほかの国よりも毒性が強い遺伝子を持つとみられることがわかった。山岡医師は「2010年の初調査で思っている以上に強い毒性のピロリ菌に感染していた。(住民の間では)胃がんがあまり知られていないし興味もない、内視鏡もないというのが最初に来たときの状況」と話した。全国民の検査体制の確立が不可欠と考えた山岡医師は日本政府の助成金も活用して、日本企業と共同で開発した独自の検査キットの現地生産を行う予定。検査キットは検体を含んだ液体1滴で約15分でピロリ菌の有無がわかる仕組み。国内での生産が可能になれば低コストで検査が可能になり、国の医療費の負担軽減も期待できる。山岡医師は「10分の1行かの値段でキットができると経済的に貧しい国でも(ピロリ菌の早期発見、治療が)できるのでは」と語った。
胃がんを早期発見し治療できる医師の育成も進めている。約2カ月置きに内視鏡医を派遣し、現地の医師に技術指導を行う。山岡医師も自ら指導に加わった。ブータンの内視鏡医は20人余りに増加。早期発見で胃がんが完治した女性は「治療を受けていなければ命がなかったかもしれない。とても感謝している」と語った。山岡医師は「がんと言われたら終わりという時代から『早期がんだから治る」 と、それを信じてくれるような国になるかな」と述べた。ブータン政府は山岡医師をはじめ日本からの支援に感謝を示している。政府としても国民に胃がんに関する正しい知識をみにつけてもらい健康を守ってもらおうと独自のキャンペーンを立ち上げるとしていて、山岡医師の取り組みとの相乗効果を図りたいとしている。山岡医師は同じように胃がんによる死亡率が高いモンゴルやインドネシアなど他の国でも同じような取り組みを広げていきたいと話していた。