短編CGアニメーション作品「Origami」が今週、アカデミー賞を主催する団体が選ぶ学生アカデミー賞が発表され、アニメーション部門で銀賞に選ばれた。受賞したのは金森慧さん、22歳。作品は大学の卒業制作として作られた。過去の受賞者には映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のロバート・ゼメキス監督や、「モンスターズ・インク」のピート・ドクター監督などが名を連ね、学生版のオスカーとして知られている。受賞作品のテーマに選んだ折り紙は、金森さんの創作活動の原点。出会ったのは小学1年生のころ。受賞を受けて通っていた大学の恩師、デジタルハリウッド大学・古岩祥幸特任准教授は「率直に誇らしい」と話す。取材している途中突然、帰国後の金森さんが訪ねてきた。語ったのは受賞後の素直な気持ちだった。金森さん「銀賞ってことで、金をとれなかった悔しさは大きい」と金森さんは古岩准教授に対して語った。作品作りに真摯に向き合う中で大切にしていることは「人がやったことがないことをしたい。自分にしかできないことがしたい」だという。アニメーション業界の動向に詳しい専門家、文教大学情報学部・佐野昌己教授は「自分の作品で若い年齢で受賞することは、今までなかった画期的なこと。上の年代にも刺激になる。さらに若者が追随するのではという期待が持てる」と話す。現在、映像作家として活動する金森さん。今後について聞くと「和の伝統文化とCGを融合させたような映像表現をしていく活動もできたらいい。最近「SHOGUN 将軍」のドラマがすごく話題になってましたけど、もし機会があったらシーズン2にかかわりたいと思ったり」と話す。今回受賞した「Origami」は来年、米国で発表されるアカデミー賞の選考の対象となるという。