ヨーロッパ、中東地域の2025年展望。3:事態打開の鍵は経済か。トランプ次期大統領の関税引き上げを示唆する通商政策や経済停滞が続く中国の内需低迷などの影響不安があるのは確か。ただ、ヨーロッパ経済は実は全体としては足元で緩やかに持ち直している。ユーロ圏のGDPの伸びは堅調で0%辺りが続いたおととしの低成長を脱しプラス成長が持続。英国でも去年は底堅い成長が続いた。インフレ圧力が緩和して家計の購買力が回復し景気をけん引し始めておりヨーロッパ経済は、今年緩やかな回復に向かうという見方が有力。ドイツなどで製造業の低迷は長期化しているが、各国が重視する再生可能エネルギーなどの分野は成長が期待されている。先月、フランスで開かれた再生可能エネルギー企業の見本市を取材すると企業から強気の声も聞かれた。フランスやドイツの政治が不安定になった背景にはインフレや企業業績の悪化もあった。まずは経済が好転しそれが政治の安定をもたらし最終的には、2つの戦争などの事態打開につながっていくことを期待。ただ、時間はかかりそう。