日本製鉄による買収計画は先月、USスチールの株主総会で承認された一方、鉄鋼業界の労働組合USW(全米鉄鋼労働組合)は計画に一貫して反対している。これに関連しUSスチールの取締役会は21日、書簡を公表し、“別の米国の鉄鋼メーカー・クリーブランド・クリフスが買収を阻止するため、日本製鉄とUSスチールが買収計画を解消する方針だと誤解させるような情報を拡散している”と非難した。書簡では、クリーブランド・クリフスも当初買収を提案していた経緯に触れ、“USスチールは検討の結果、日本製鉄の提案が優れていると判断している”としている。そして“会社や株主だけでなく従業員や米国の経済安全保障にとっても最良の取り引きだ”として、買収の完了を目指す方針を改めて強調した。これに対しクリーブランド・クリフスは21日の声明で“誤った情報を発信したことはなく、労働組合は自社の買収案を支持している”などとして反論している。