中東・ヨルダンの空軍基地で輸送機に物資が運び込まれていった。積み込まれていくのは深刻な飢餓に苦しむパレスチナ自治区ガザへの支援物資であった。コメ・小麦・乳幼児用のミルクなどが入った物資にパラシュートが取り付けられていた。ヨルダン軍による空中投下の同行取材を特別に許可され、見えてきたのはイスラエルによる封鎖が続くガザの姿であった。イスラエルによるガザ侵攻前の様子と比べるとあらゆる建物が崩され輪郭を失った街並みとなっていた。ガザ中部へと到達すると支援物資が一斉に投下されていく。投下された物資には大勢の人が殺到し奪い合いになっており、食料を手にできるのはごくわずかであった。このフライトで投下された食料は合わせて8トンで人口約210万人のガザ地区に必要とされる1日2000トンには遠く及ばず非効率でパラシュートが開かずに物資が市民に直撃し死亡するという事故も相次いでいる。人道危機が深刻さを増したのは今年3月でイスラエルが「人質を開放するようハマスに圧力をかける」と陸路による物資搬入を大幅に制限したことがきっかけとなっている。さらに5月末からは「ハマスが国連の支援物資を横取りしている」などとしてGHF=ガザ人道財団が担うようになった。