今月就任したNTTドコモの前田義晃新社長が、銀行業への参入を目指す方針を明らかにした。前田社長は人材サービス大手のリクルート出身で、NTTグループの生え抜き以外から初めて今月社長に就任した。会見では、首都圏をはじめ人口が密集する地域で通信の改善に取り組む考えを示した。その上で携帯大手各社で唯一、グループ傘下に銀行がないことについて「我々として(銀行は)必要なサービスだと思っている、さまざまな検討を進めている、みなさんにお知らせできるタイミングがあればぜひお願いしたい」と述べた。携帯大手各社は傘下に銀行がある。KDDIはauじぶん銀行、ソフトバンクはPayPay銀行、楽天グループは楽天銀行で、ドコモだけがない。前田社長はM&A(買収合併)の形で銀行業に参入するか、あるいは自分たちで立ち上げるか、いくつかの案を検討しているとしていた。ライバル社との間では、ポイント経済圏の囲い込み競争が激しくなっている。ドコモの動きは今後の競争に影響を与えそう。