英国総選挙。複数の議席予測では、スナク首相率いる与党保守党が大幅に議席を減らす一方、最大野党労働党が勢力を伸ばし、単独過半数を獲得する見通し。第2次世界大戦後、2大政党の保守党と労働党の間で、8回政権交代してきた。今回、14年ぶりに政権が代わる可能性が高まっている。大手調査会社ユーガブが3日に発表した議席予測では、労働党が431議席と単独過半数を獲得する一方、保守党は102議席と、改選前に比べ3分の1以下に減らすとしている。財務相を経て首相に就任したスナク氏。選挙戦では、おととしの就任時に11%を超えていた記録的なインフレ率を2%まで下げたと強調。大型減税の公約も打ち出した。しかし、生活費の高騰に賃金の上昇が伴わず、国民の生活実感は改善されていない。保守党に対する根強い不信感や失望も逆風になっている。2代前のジョンソン政権では、新型コロナの感染拡大が続く中、首相官邸でパーティーが繰り返されるなど、不祥事が相次いだ。次のトラス政権では、財源の裏付けがない大型減税策で、市場の混乱を招いた。専門家は今回の選挙に関して「前回保守党に投票した人の多くは渋々労働党に転向した」と見解を示した。投票は日本時間の明日午前6時に締め切られ、即日開票される