これまでのところ領土をめぐる駆け引きが焦点となっている。プーチン大統領は東部・ドネツク州とルハンシク州の放棄をウクライナ側に求めていて、その見返りに停戦に応じる案を考えているとの見方がある。ただドネツク州ではこれまでにロシア軍が7割を制圧したもののウクライナが必死の抵抗で州全体の3割を守っていて、これを引き渡すことはウクライナにとって簡単にはのめない。さらにウクライナを支援するヨーロッパ各国ももしウクライナがある地域で軍を撤退させるならロシアも別の地域で軍を撤退させるなどあくまで対等なかたちにするべきだという姿勢だ。アメリカのCNNは「ごくわずかな国境地域をウクライナは取り戻せるかもしれないが、現実的にそれ以上のものは得られそうにない」と伝えている。そもそもプーチン氏がごくわずかな占領地でも返すことに応じるかは不明だし、たとえ米露で合意してもロシアに有利だとウクライナが反発すれば履行されないおそれもある。プーチン氏の停戦にかけた本気度も見えないなか着地点が見出されるのかは不透明で、ギリギリまで駆け引きが続きそうだ。