野村グループ・藤井摩耶がニューヨークからの解説。アメリカの雇用市場に関して注目データが発表された。先週金曜日には7月分雇用統計の州別データが出ている。ハリケーン「ベリル」の影響があったとされるテキサス州の雇用者数は前の月から1万4500人減少。失業率は4.0%から4.1%へと上昇。しかし、失業率の上昇は米国全土に広がっており、特にマサチューセッツやミシガン、ミネソタ、サウスカロライナでは0.3ポイント上昇した。テキサス州の失業率上昇が特段目立っていたわけではなく、雇用統計の弱さが本当に一時的であったのかどうか疑問を感じさせるレポート。株式市場での注目度は低く、株価はあまり反応しなかった印象。今月は各企業のレイオフ報道が止まらない。業種も幅広く、雇用市場の弱さには、引き続き留意が必要。雇用統計をキッカケに大幅下落した株価は、順調に回復してる。今年は、「Stop Up Vol Up」の合言葉で指数上昇時にコールを買い上昇トレンドに乗る動きもあった。8月に入ってからの大幅下落、ポジションの巻き戻しが一巡し、足元では半導体、テックに買いが見られるようになり、今年の流行りトレード「満期の短いコールの買い」も復活してるのではないか。アメリカ株の各種投資家ポジショニングを見ると特にオプション取引でのロングポジション復活が目をひく。機械的に取引を行うシステマチック系も8月以降の荒れ相場でポジションを相当に縮小していたが足元は買いシグナルが点灯している。