ホンダと日産自動車は経営統合に向けて協議を開始することを正式に発表した。さらに、この協議に三菱自動車も合流することを検討しているという。統合が実現すれば、販売台数でトヨタ自動車、ドイツのフォルクスワーゲンに次ぐ世界3位の巨大自動車グループが誕生することになる。統合で得られる効果として三部社長が挙げたのが車両の共通化によるスケールメリットや競争力の強化。なかでも強調したのが100年に一度といわれる自動車業界の新たな動きへの対応。自動運転や電気自動車(EV)では米国のテスラや中国のBYDなどが積極的な投資を進めて先行。設立を検討する持ち株会社の役員については過半数がホンダが指名し、社長もホンダが指名するとしている。ホンダと日産自動車が経営統合へ協議入り。ホンダの株価は先週18日、統合をめぐる報道を受けて終値でおよそ3%下落。業績が悪化する日産をホンダが救済するとの市場の見方を何度も否定。最も今日のマーケットは今回の協議開始を好感。午前中からの関連報道などを受けてホンダ、日産、三菱自動車の株価はそろって上昇した。自動車製造に欠かせない部品などのメーカーも今回の発表に関心を寄せる。帝国データバンクの調査によると部品メーカーなどホンダと取引のある企業はおよそ2万2000社。これに対して、日産はおよそ1万9000社にのぼる。帝国データバンクの担当者は競争力が高まることなど統合にはメリットがあるとしたうえで技術力や経営体力のない取引先が淘汰されるリスクもあると指摘する。ホンダと日産自動車が経営統合へ協議入り。2018年に会社法違反などの罪で逮捕起訴され5年前にレバノンに逃亡した日産の元会長・カルロス・ゴーン被告は古巣の日産が今年4月から9月までの営業利益で9割落ち込んだことを念頭に自力の経営再建は不可能だと主張。「合併やアライアンスが実現しても成功すると思えない」とコメント。一方、専門家は長期的なビジョンを持った統合協議であると評価しつつ企業文化の違いを課題として指摘する。