数十年もの間、フィリピンを象徴するものとなってきた乗合バス「ジプニー」。公共交通機関の近代化が進む中、個性的なジプニーはまもなく姿を消し、街のアイデンティティのひとつが失われる可能性がある。ジプニーは、数百万人が利用する庶民の足となってきた。地元のアーティストによってデザインされ、塗装されている。今の人気のデザインは、牙や角の塗装だという。ジプニーが初めて登場したのは、第二次世界大戦後。フィリピンがアメリカから独立した後のことだった。人々に安い交通手段を提供するため、アメリカ軍が残した軍用車が改修され、ジプニーに転用された。デザインは、社会のトレンドや政治運動、日常生活を反映するようになった。政府は、ジプニーを段階的に廃止し、電動のミニバスなど代替手段を導入しようとしている。ジプニーを維持するべきか、人々の意見は分かれている。大気汚染の大きな原因である他、乱暴な運転で有名で、路上で混乱や危険を招いているとの批判もある。
