米国大統領選挙で敗北した民主党・ハリス副大統領が演説。スタジオで国際部・石井デスクが解説。ハリス氏は敗戦を認めた上で「自分たちは諦めなければ、あるいは挑戦し続ければ未来は輝いている」と述べた。また、「私たちには私たちを分け隔てるもの、違いよりも多く共通点がある」との発言は、国民に融和を呼びかけたものと思われる。そして「この結果は受け入れなければならない。トランプ氏に電話をし、政権移行にも協力していくと伝えた」と述べていた。トランプ氏の勝因について。選挙戦の特に終盤に入ってから、トランプ氏は「生活は以前よりもよくなったと思うか」と有権者によく訴えてた。これが効いたと思われる。そして選挙戦を通じてトランプ氏が訴えたことは「物価高」「不法移民の増加、それによる治安の悪化」「ウクライナ、ガザ、外での戦争」。いずれもバイデン・ハリス政権が招いたものだと繰り返し主張し、「現政権のこの失敗を続けるのか」と訴えた。トランプ氏の発言や個人攻撃と受け止められるような言動を懸念する声もあるが、有権者への取材で「トランプ氏の人格を支持しているわけではない。ただ、政策や訴えは、2人を比べたときにより良い方だと思うのでトランプ氏を支持する」との声もあり、“現状を変えてほしい”という人たちの思いが、トランプ氏を勝利に導いたと思われる。ハリス氏の敗因について。“未来を訴える”と言いながら具体策がはっきりせず、また、現政権の副大統領としてダイレクトに批判を受けたことも敗因として大きかったと思われる。そして、トランプ氏を否定するような訴えが、今の米国で深まっている分断や政治的な対立をかえって深めているのではないかと受け止める有権者もいて、そうした点も影響した可能性はある。今後の手続きについて。ハリス氏が敗北を認めたため、このあとは選挙人による投票が行われ、来年の1月6日には手続きを経て正式に結果が確定し、1月20日の正午には新しい大統領が誕生することになる。