先月アメリカ・ワシントン近郊で起きた航空機とヘリコプターの衝突事故をめぐり、トランプ大統領は「事故原因は多様性を推進した政策のせいだ」と主張。5日には女性スポーツにトランスジェンダー女性が参加することを禁止する大統領令にサインした。アメリカではトランプ政権発足後、多様性を認めない動きが加速している。大統領選での勝利が伝えられた翌日以降、黒人などの携帯には正体不明の送信者から人種差別的なメッセージが次々と届いた。60年前、大規模な抗議活動が繰り広げられたアラバマ州セルマを取材。キング牧師らとともに弾圧と戦った黒人女性に話を聞いた。女性は14歳で黒人の投票権を求めるデモに参加したとき、警官に殴られけがをした。このときの映像は全米のテレビで報道され、世論は人種差別撤廃へと動いた。しかし60年経った今、トランプ大統領は就任翌日に人種や性別による優遇措置を停止する大統領令に署名した。しかしAP通信の調査では、トランプ氏を支持する黒人男性は2020年のときは12%だったが、2024年では25%だった。黒人共和党協議会・アザド・アーマディさんは「民主党の政策は結果を出していない」と話す。