トランプ大統領がアメリカを国際機関から脱退させる背景で共通するのはアメリカ第一主義のもとアメリカの利益を最優先に追求する姿勢。アメリカは多くの国際機関で最大の資金拠出国であることからトランプ大統領は「アメリカの負担が重すぎる」「他の国はただのりだ」などと不満を持っていた。そのためトランプ大統領は去年1月の就任直後からWHOやユネスコからの脱退などを相次いで決定した。そして今回アメリカの国益に反するとみなす66の国際機関から一斉に離脱を表明した。ルビオ国務長官は「外国の利益に数十億ドルの税金をつぎ込む時代は終わった」と強調した。まさに戦後の国際秩序を支えてきたアメリカが国際協調に背を向ける背景が浮き彫りになったかたちだ。国際社会で存在感を高めている中国の影響力が増すことへの懸念の声が出ている。バイデン前政権で気候変動問題担当をつとめたケリー氏は「中国への贈り物だ」などと非難している。一方でアメリカメディアは「国際海事機関や国際労働機関など中国と競合の機関に資金を集中させたい」と述べている話を伝えている。また、アメリカが脱退した国際機関は資金不足に陥る可能性が高く、プロジェクト停止や職員の人員削減などの影響も出てくるとみられる。特に国連気候変動枠組み条約から脱退するなど地球温暖化対策への影響が懸念されている。専門家からはアメリカの協力なしに温暖化対策で有意義な進展は難しいとの指摘が出ている。日本を含め各国が国際秩序の維持に向けどのような対応をとるのかが問われている。
