3軒目は「カップへのこだわりが規格外なマスターがいる喫茶店」。やってきたのは福岡県・桂川町にある「喫茶店 リオ」。店内のショーケースにはマスター・益川さんが趣味で集めているコーヒーカップがずらり。その数なんと1,300。トナカイとそれを狙う貴族が描かれたカップ&ソーサーは一脚で60万円。有田焼のカップにはちょっとした仕掛けがあり、カップの底を光で照らすと女性の絵が映し出される。しかもマスターは収集だけではなく、1杯1,000円のコーヒーを頼むと展示されているカップの中から好きなカップを選んで飲むことができる。しかし時には割ってしまうことがあるそうで、「(ショックで)3日間熱が出たことがある」という。中でも特別だというカップが見るからに高級感が漂う一脚500万円のもの。イギリスの老舗食器ブランド「ミントン社」のコーヒーカップセットで、ヴィクトリア女王のために作ったと言われるカップと同じデザイン。マスター曰く本物だそう。12金でコーティングされており「世界で最も美しいカップ」と称賛されているほど。しかもこのセットでも実際にコーヒーを飲むことができるが、1杯11,000円となる。最高のひとときのため、一人専用のVIPルームに通される。500万円のカップに使用するのは高級豆の「ブルーマウンテンNo.1」。カップとソーサーが傷つかないように間にティッシュをかませて頂く。なぜこのように提供しているのか話を聞くと「高いのをただ飾っておくだけじゃ楽しみがないから」とのこと。これまでこのカップにコーヒーが注がれたのは1,168回。その1杯1杯を堪能した人たちが記帳している。誕生日や金婚式など記念日に飲みに来る人も多いそうで、実際に飲んだことがあるお客さんに話を聞くと「震えますよ。ドキドキしますよ」とのこと。ちなみに飲んだ人全員に6,000円相当のカップをお土産としてプレゼント。さらに売り上げの1割は被災地などへ寄付しているという。