NATO首脳会議は閉幕にあたり、トランプ大統領がNATO主義と相互防衛を表明したことで安堵が広がった。32カ国はかねてよりトランプ大統領が要求していた国防費の大幅引き上げで合意した。2%→5%への引き上げ。加盟国はGDPの3.5%を軍や装備に充てる。加えて1.5%を国防に、重要なインフラに充てる。今回の首脳会議はトランプ大統領のための会議となった。短く簡潔なアジェンダは国防費の増額。ルッテ事務総長は「あまりに長く1つの加盟国が大きな負担を担ってきた。それが25日に変わる。親愛なるドナルド、あなたはこの変化を可能にした」と述べた。ヨーロッパはとりわけロシアに対し備えを固めたい意向。ドイツ・メルツ首相は「この大きな投資は誰かを喜ばせようとして行うものではない。我々の意向であり、投資しなければならないから行う」と述べた。スペインの首相は「遥かに少ない投資額にしたい」と述べ、トランプ大統領の意向には沿わないものの、機嫌を損ねる事態にはならなかった。トランプ大統領はNATOについて「首脳たちが立ち上がるのを見た。どれほど国に対する愛情と情熱があるか、信じられないほど。国を守ろうとしているが、そのためにアメリカを必要としている」と述べた。数字が明確にされたのは初めてのこと。ウクライナのゼレンスキー大統領も来ていたが、公式スケジュールでの参加はなく当事者ではなかった。声明ではウクライナ支援は非常に曖昧な表現となっている。25日にトランプ大統領はハーグでゼレンスキー大統領と会談し、「良い会談だった」と述べた。明らかなのはウクライナのためではなくトランプ大統領のための首脳会議だったこと。そのトランプ大統領がハーグでNATO支持を表明した。