今、急成長が見込まれているのがエアコン市場。インドではこれまでほとんどの世帯で持っていなかったが、今、中間層がこぞって買い求めている。エアコンの市場規模。5年後にはおよそ2倍になる見通し。これまで持っていなかった人たちが手が届くようになると見られている。インドのエアコン市場での売り上げを伸ばそうと日本メーカーも相次いで投資計画を打ち出している。ダイキン工業はインドで3か所目となる工場を新設したほか、三菱電機は来年10月に新工場を稼働させることを発表。競争が激しくなっている。この時期、湿度が高く連日気温が40度を超えるニューデリー。家電量販店は家族連れなどでにぎわっている。取材で訪れた2時間で10台のエアコンが次々に売れていた。店頭に並ぶのは日本、韓国、中国など外国メーカーのほか、地元インドメーカーの商品。この店では6万円から7万円台のエアコンがよく売れている。中間層が暮らすニューデリーの住宅街。最近、エアコンを買い、豊かさを実感しているという男性。家族4人暮らし。金融関連の仕事をし、収入はこの10年で2倍に。娘の部屋に念願のエアコンを取り付けた。日本円で7万円のエアコン。大学の医学部に通う娘の勉強を応援したいと購入した。買ったのはインド製「VOLTAS」のエアコン。インドで拡大する中間層に人気だ。地元インドの家電メーカー「VOLTAS」。日本メーカーにとって手ごわいライバル。インド最大の財閥、タタグループの傘下にあり、去年は200万台のエアコンを売り上げ、高い市場シェアを誇る。品ぞろえは80種類以上。機能を絞った低価格のものから外出先からもスマホで操作できる高性能のものまである。「VOLTAS」を率いるバクシCEOに話を聞くことができた。バクシCEOはインド市場への投資を加速する外国メーカーとの競争についても自信を見せている。