三菱UFJフィナンシャルグループ傘下の銀行と証券会社2社が、顧客企業の非公開情報を同意を得ずに共有したなどとされる問題。日本取引所グループの山道裕己CEOは記者会見で、グループの銀行と証券会社の間の情報共有を制限する「ファイアーウォール規制」のさらなる規制緩和に注文を付けた。ファイアーウォール規制とは、顧客企業の利益などを守るため、同じグループの銀行と証券会社の間の情報共有を制限するもの。証券取引等監視委員会による、三菱UFJフィナンシャルグループでの事例を紹介。傘下の三菱UFJ銀行は、顧客企業から株式の売り出しに関する非公開情報を証券会社に提供しないよう再三伝えられていたにもかかわらず、当時の専務執行役員が、系列の証券会社の株式の売り出しの主幹事にしようとして、三菱UFJモルガンスタンレー証券の当時の副社長に、売り出しの時期や金額、方法などを顧客の同意を得ずに非公開情報を共有していたという。このため証券取引等監視委員会が、行政処分を行うよう金融庁に勧告している。日本取引所グループの山道裕己CEOは「金融業界のリーディングカンパニーでこうした事案が発生したことは誠に遺憾だ。ファイアーウォール規制のさらなる規制緩和には、顧客保護などに十分配慮した慎重な検討が必要だ」という認識を示した。金融機関の経営管理態勢が改めて問われている。
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