きょうの日経平均株価は一時900円余下落して4万円を割るなど、大荒れの展開となった。市場関係者は、約1年前に日経平均が4451円安と過去最大の下落を記録した「令和のブラックマンデー」の再来を危惧する事態に。株価下落の要因となったのは、局長の解任にまで発展したアメリカの雇用統計。7月の非農業部門の雇用者数が市場予想を下回ったほか、5月と6月分の結果が大幅に下方修正される異例の事態となった。これを受け1日のアメリカの株式市場でダウ平均株価が500ドル以上下落し、その流れが日本株にも及んだ。また1日にFRB(連邦準備制度理事会)のクグラー理事が任期途中で退任すると発表すると、トランプ氏はSNSで「パウエル議長も辞任すべきだ」と発信。「遅すぎパウエル」と批判し、利下げに慎重なFRBのトップに強く辞任を迫った。雇用情勢の悪化と、利下げ実現を追求する大統領。市場ではこれらが材料となり、FRBが9月にも利下げに踏み切るとの見方が急浮上している。先週末は150円台だったドル円相場は、日米の金利差が縮まることなどが意識され147円台まで円高が進んだ。結果、きょうの日経平均は先週末よりも500円余値下がりして取引を終えた。アメリカの事情に振り回される日本経済に、三菱商事の野内雄三CFOは「あまり悲観的に見すぎるの早計だろう」などと述べた。一方三菱UFJフィナンシャルグループは決算会見で、「アメリカの労働市場が崩れてきている」として「景気後退に陥る可能性は相応にあるだろう」と指摘した。これに対してみずほ証券チーフエコノミストの小林俊介さんは、トランプ政権が政府職員を大量にリストラしたことで雇用統計の結果に影響を及ぼしている可能性を指摘し「これを信用して一喜一憂するのは、あまり建設的な動きとは言えない」などと述べた。そのうえで、年末にかけて株価が4万2000円以上を試す展開もありうるとした。
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