数々の名シーンが記憶に新しい世界陸上。熱戦の舞台となった「国立競技場」の呼び名が新たに「MUFGスタジアム」になると発表された。三菱UFJフィナンシャル・グループが国立競技場の「命名権」を取得。契約は5年間で100億円程度となる見込み。東京オリンピックに合わせて全面的に建て替えられた「新国立競技場」は整備に1569億円の費用がかかり、大部分が公費でまかなわれた。これを圧縮するため、今年4月に運営を民営化し命名権を募集していた。スタジアムで広がる命名権の先駆けは東京・調布にある「味の素スタジアム」。2003年に味の素が5年間12億円で命名権を取得。その後、各地に広がり、最近では「エスコンフィールドHOKKAIDO」の命名権を不動産のエスコンが年間5億円以上で取得。いずれも年間で数億円が相場。年間20億円程度という破格のMUFGスタジアムの効果について、新潟経営大学・島田達人准教授は「差別化が難しい金融商品の世界の中で他行と圧倒的に違うという格を得る」と話した。命名権は自治体にとって貴重な収入源になっている。千葉・木更津市のポルシェ通りは道沿いにポルシェの体験施設がある。自治体には年間124万円が支払われている。横浜市では駅前の階段や公衆トイレまで。トイレの管理は企業が行う。自治体にとっても企業にとってもメリットがある命名権ビジネスは益々広がりそう。
URL: http://www.mufg.jp/