日銀は先月追加の利上げを決めて政策金利を17年ぶりとなる0.5%程度まで引き上げた。三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行は3月から普通預金金利を0.2%に引き上げると発表。今後は変動型の住宅ローン金利も上昇する可能性がある。前回日銀が政策金利を0.5%としていたのは2007年2月~2008年10月までのリーマン・ショック前後の時期。物価を比較すると、当時は物価がほとんど上がっていない一方で、現在は物価が上昇している。賃金については、連合が集計した春闘の賃上げ率は2007年・2008年が1.8%台だったのに対し、2024年は5.1%だった。2007年当時も金融機関で初任給引き上げが行われており、現在と比較すると三井住友銀行や大和証券グループなどでは現在のほうが10万円ほど高くなっている。同じ0.5%の金利でも2007年は物価が上がらず賃金の伸びも緩やかな中で日銀は悩み抜いての利上げだったことがわかる。今回は物価の上昇が続いて賃金も上昇している中での利上げとなる。日銀は経済や物価が見通し通りに推移すれば今後さらなる利上げを検討するとしている。市場では次に利上げが行われれば政策金利は0.75%程度になるとの見方がある。この水準になると1995年以来30年ぶりの水準となる。