女性の団員がいない消防団は全国でおよそ2割に上る。取材を進めた東京都で具体的に見ていくと、10の自治体で女性団員が一人もいないことが分かった。この10の自治体に取材をすると、「女性用のトイレや更衣室がなく、ハード面での受け入れ態勢が整っていない」「そもそも女性からの応募がない」「女性も入団できることを知らない人が多いのではないか」といった声が上がった。一方、立川市や目黒区などの消防団では女性の割合がおよそ4割から5割と特に高くなっている。このうち品川区の消防団を取材した。ことし4月、都内で初めて女性の消防団長に就任した大谷敏子さん。大谷さんが率いる品川消防団には98人の女性団員が在籍している。女性に優しいさまざまな工夫があるのかと思いきや消防団の制服、そして詰め所のトイレも男女共用。女性特有の体調の変化や子育て経験などを踏まえた細やかな気配りや声かけは災害の現場で被災者の大きな支えになる。思いを持った人が入団できる環境を整えるにはまずは踏み出してみるというのが大事なのかもしれない。最初のVTRでお伝えした府中市消防団前団長の本間さん。女性団員を積極的に募集する方針に転換した。女性団員募集に特化したポスターは70年の消防団の歴史の中で初めての試み。今年度このポスターを市内に掲示したところ府中市ではすでに8人の女性から応募が集まった。来年度には入団が実現する予定だということ。それと同時に市はトイレや更衣室といったハード面の整備を徐々に進めていきたいとしている。