日銀はきょう、昨年度1年間の決算を発表した。それによると、ETFの保有額は、ことし3月末の時点で時価で74兆4982億円だった。前の年の同じ時期より20兆円余り増え、このところの日本の株価の上昇傾向が反映された形。この結果、簿価との差のETFの含み益は37兆3120億円と前の年の同じ時期と比べて2倍余りに膨らみ、年度末として過去最大となった。日銀が保有するETFを巡っては、政策の財源とする案などさまざまな活用策が浮上しているが、日銀の植田総裁は取り扱いの方針を時間をかけて決める考えを示している。一方、日銀の国債の保有額はことし3月末の時点で国庫短期証券を含めて589兆6634億円と前の年の同じ時期と比べて1.4%増加し、年度末としては過去最大だった。国債の買い入れは、ことし3月に大規模な金融緩和策を転換したあとも続いていて、市場では日銀が国債の買い入れを減額する時期が焦点となっている。