自民党総裁選では選択的夫婦別姓が争点になっている。この制度をめぐっては1996年、法制審議会が夫婦別姓を可能にする民法改正案を答申している。ただ保守系議員が反対し、法案は提出されず、その後議論は停滞してきた。経団連・十倉会長はことし、「現在の制度を改め希望すれば不自由なく自ら姓を選択できる制度を求めていく」などとし、経団連は6月、制度の導入を求める政府への提言をまとめた。小泉氏、河野氏、石破氏は導入推進派だ。慎重派の高市氏らは、通称使用の拡大や法律上も旧姓を認めるなどして、不便の解消はできると主張している。小林氏は、「子どもの姓はどうするか」など議論が尽くされていないとも主張した。林氏、上川氏、茂木氏は個人としては賛成との立場をとりつつ、社会を分断しかねないとして議論を重ねる必要があると主張。ある陣営の関係者は「選択的夫婦別姓の導入に踏み込むと議員票が減ってしまう。応援してくれる議員との関係もあって踏み込めない」としている。先送りされてきた選択的夫婦別姓をめぐる議論は、総裁選を通じて深まるか注目される。