中国・上海できのうオープンした日本のラーメン店「ずんどう屋」の前には初日から長い行列ができていた。7年前にトリドールの傘下に入り、中国に初進出した。看板商品は「濃厚豚骨らーめん」。水と豚骨だけを10時間たいたスープが特徴。まつりをテーマに賑やかさを表現した店内には丸亀製麺が得意とする臨場感が感じられる仕掛けがある。中国の客が好むように様々な工夫も追加。日本の店にはない新たなシンボルとして、屋台を置いた。また、薄味を好む中国人向けに塩分の少ないメニューも。今回の中国進出ではローカルバディと呼ばれるパートナーが大きな役割を担っている。それが羅得軍さん。中国のマクドナルドの店舗数を4年で倍近くに成長させた実績を持つ。羅氏がとった戦略は大胆な価格設定。上海で提供されている日本式ラーメンの平均価格は約50元だが、「ずんどう屋」の看板メニューの「濃厚豚骨らーめん」は36元。その狙いは来店頻度を高めることにある。一杯あたりの利益は減るが、来店頻度を高めて収益を上げる狙い。中国の外国市場を知り尽くす羅氏の狙いは的中した。トリドールは羅氏のようなローカルバディをこれまでも積極的に活用。丸亀製麺のロンドン第1号店の成功やインドネシアの100店舗達成など海外事業躍進の重要な役割を担っている。店が持つ独自の強みを守りながら、現地に合わせた経営を行うことが重要だと粟田社長は話す。