黒紋付は黒染めという技法で染められ、艶のある深い黒が求められてきた。この黒紋付を手掛ける黒染め専門の工場では、黒よりも深い究極の黒を目指しその技を磨いてきた。荒川さんは今、受け継いできた黒染めの技を用いて新たな事業に挑戦している。その1つが洋服の染め替えサービス。着古したものやシミが付いたものを、黒染めの技を駆使して再生するものである。黒染めを施すと天然繊維だけが黒くなり、化学繊維は染まらない。素材によって異なる風合いが生まれる。他にもアパレルブランドとのコラボや独自ブランドの立ち上げなど、事業を拡大してきた。これらは黒染めの技を未来につなぐための取り組みだという。