外資系の日本法人で社長を務める千田真弓さんは、理系出身。若い女性に自分たちに続いてほしいと動き始めている。千田さんは、米国のヘルスケア大手・アボットメディカルジャパンの日本法人の1つで去年から社長を務めている。都内の女子校で、理系のコースで学ぶ中学生や高校生を対象に講演を行った。薬学部出身で薬剤師の資格を持つ千田さんは、自身のキャリアを振り返り、ビジネスの現場には理系で学んだスキルや経験を生かす場がたくさんあると伝えた。千田さんは別の外資系の製薬会社で営業部長などを務め、3年前、医療機器を国内で販売する今の会社に転職した。リーダーシップなどが評価され、去年1月に社長に就任。女性がこの日本法人でトップを務めるのは初めて。千田さんが会社の成長に欠かせないと考えているのが、多様な人材の活躍。今はまだ少ない理系出身の女性を増やしたいとしている。ただ、日本では理系分野を専攻する女性そのものが少ないのが現状。OECD(経済協力開発機構)の調査では、おととし大学などに入学した女性のうち、科学や工学などの理工系分野に進んだ人は僅か7%。千田さんは多様性が新たなイノベーションの創出にもつながると期待している。理系の女性を増やそうという動きは教育界でも広がっていて、各地の大学では入学試験に女子枠を設け始めている。都内にある公益財団法人によると、来年春の入試では全国で62の大学が導入するという。