明後日行われるWBAバンタム級タイトルマッチ。王者・堤聖也選手対挑戦者・比嘉大吾選手。比嘉選手は7年前世界戦の計量で失格、王座を剥奪された。比嘉選手は今日行われた会見で再び王座を争って闘うことができる喜びを「戻ってきたことに感謝しつつ、この舞台を楽しみたい」と語る。比嘉選手は強打を活かした攻撃的なスタイルで21歳で世界王者に。デビュー以来全試合KO勝利での王座獲得となった。しかし7年前の2018年、3度目の防衛戦の前日軽量で900グラムオーバー、王座剥奪となる。これは日本ボクシング史上初の失態だった。自責の念から闘志を失い始めた比嘉選手。インタビューではボクシングをやりたくない気持ちが大きいなどと語り、戦い続けることに疑念を抱いた。そんな比嘉選手を支えたのはデビュー前から指導する野木丈司トレーナー。比嘉選手の才能に惚れ込んだ野木トレーナーは練習に身が入らない比嘉選手を励まし続けた。野木トレーナーは比嘉選手が「やめる」と言ったあとでも練習のために集合時間を連絡してくるなど「やめてほしくない」という気持ちを示した。そんな野木トレーナーは比嘉選手を「稀代のボクサー、過ごして来た時間も長く子どもに近い感情がある」と語った。比嘉選手は野木トレーナーと一緒に再び世界タイトルマッチを目指す。体重オーバーを繰り返さないため、階級も2階級上げた。体の大きな相手と闘うため、上下左右の動きを磨き、多彩な戦い方を身につけた。相手に打ちにくくさせ、自分の攻撃をできるようにしたと話す野木トレーナー。比嘉選手はその後勝利を重ね、昨年行われたタイトルマッチでは王者をあと一歩のところまで追い詰めた。失意のどん底から7年、2人で王座に挑む。野木トレーナーは比嘉選手とボクシングが出来る喜びを噛みしめる試合だと次の試合に関して語った。また比嘉選手は「ここまで出来たのは野木トレーナーのおかげ、やってきたことを試合で全部出す」とした。比嘉選手と対戦する堤聖也選手はプロ転向後ダウン経験のないタフな選手。どんな試合になるか注目される。