ことし7月に世界文化遺産に登録された新潟県の佐渡島の金山を巡り、きょう佐渡市で、すべての労働者のための追悼式が開かれるが、韓国政府は当初予定していた政府代表の出席を見送ると発表した。佐渡島の金山の世界文化遺産への登録を巡っては、韓国が朝鮮半島出身の労働者が強制的に働かされた場所だとして反発した経緯があり、日本政府は佐渡島の金山におけるすべての労働者のための追悼行事が毎年、現地において執り行われる予定だと説明していた。地元自治体や市民団体で作る実行委員会はきょう、初めての追悼式を佐渡市で開き、韓国政府の代表や韓国人の遺族も出席する予定だった。しかし、韓国外務省は、きのう午後になって、政府代表の出席を見送ることを決めたと発表した。韓国人の遺族も出席しないという。理由について韓国外務省は、式典を巡る両国間の意見調整に必要な時間が十分でなく、受け入れ可能な合意に至ることが難しいためとしている。一方、韓国メディアは、日本政府の代表として式典に出席する生稲外務政務官が、過去に靖国神社に参拝したと伝え、これが韓国側が欠席する理由だという見方を示している。韓国・チョテヨル外相はきのう、テレビ番組に出演し「両国関係の改善の流れに支障をきたさないよう、双方が努力しなければならない」と述べ、日本側との意思疎通を続ける考えを示した。