横浜市中区の山手地区。1859年の開港後、日本に来た外国人の住宅地として発展し洋館などが立ち並んだ。しかし関東大震災で多くの建物が倒壊。現在、横浜市はかつての歴史や景観を守ろうと建物を移築するなどして保存し、明治から昭和の初めごろの7つの洋館を無料で公開している。山手の洋館に携わっておよそ20年。外交官の家館長・五十嵐貴子さんに案内してもらう。94年前に建てられたベーリックホール。英国人貿易商・ベリックさんの邸宅として建てられた。壁にあるものは呼び鈴。配膳室には呼び鈴を押した部屋を知らせる装置が今もなお残っている。この建物はその後、インターナショナルスクールの寄宿舎として40年以上使われた歴史もある。続いて訪れたのは山手234番館。扉が4つあるこちらはアパートとして建てられた。キッチンにある縦長の扉にはアイロン台が入っている。横浜市イギリス館は英国の総領事公邸として建てられた建物。地下は外と繋がっている。山手111番館は米国人・T.M.ラフィンさんと日本人の妻・ミヨさんの息子の邸宅。お茶や食事を楽しむことができる。ソフトクリームに添えられた“バラ”は「白あん」でできている。