スマートフォンや電気自動車のバッテリーに使われる鉱物「コバルト」は2040年までに現在の2倍の需要となるとIEAは予測している。コンゴ民主共和国が生産量の7割となるコバルトだが、ここでは巨大な穴から数千人もの労働者がノミと金槌を使いコバルトの採掘を行っているが、4500人が集まることもあるのだという。労働者は誰もヘルメットも被らず、50kgもの袋を担いで切り立った崖を歩いていく。危険な採掘作業は日給3000円以上という価格だが、現地では給料はとても良いので満足との声が聞かれている。コンゴの鉱石は大半が中国企業に送られ、コバルトの抽出は中国が約7割のシェアを持つ。中国企業がコバルトの権益を握ることに欧米は危機感も抱いている。コンゴの手堀りの鉱山は数十万人が従事しているといい、手掘りの鉱山はコンゴの生産量の1~2割を占めているという。30mという地下での採掘はより危険だといい、命綱を使わずに壁面の僅かな足場を伝って降りていくと、暗闇の中で頭の小さなライトだけを頼りに掘り進んでいくが、生き埋めのリスクと隣り合わせとなっている。この労働環境には人権団体からは指摘があるものお、鉱山側はコバルトを利用する外国企業にこそ責任がある・利益を得ているなら改善のために協力してほしいと主張している。採掘中の事故で命を落とす人は少なくないという。危険な環境で採掘されたコバルトは海外へと引き取られていて、この日も中国の企業が買い付けを行う様子が見られた。地元の弁護士からはコバルトは手掘りか重機が使われたか区別するのは難しく、大企業側が計画的に行動することが大切との声が聞かれている。