葦(あし)の茎を斜めに削ってペンにした「葦ペン」。画家の中村洋一さんは葦ペンで40年間絵を描き続けている。中村さんは「独得の表情のある線がとても気に入っている」と話した。中村さんの葦ペンは手作り。冬のこの時期、枯れて乾燥した葦を河原で刈り取り、思い通りの線が描けるよう先端の形にこだわる。中村さんはデザイナーとして働いていた30代のころ知り合いの画家に紹介されて葦ペンと出会った。博多の街に住みながら心に残った風景を3000枚以上描いてきた。西鉄福岡(天神)駅前、福岡・天神、福岡・中州などを描いている。中村さんは多くの人に絵を見てもらおうと毎年展覧会を開催してきた。今年は葦ペン画を描き始めて40年の節目として特に思い入れがある140作品を展示することにした。中村さんは「まだまだ自分が知らないところもあるし出会っていない風景もたくさんあると思う。そういったところにたくさん出会えてまたいい絵が描けたらいいなと思う」と話した。中村さんは葦ペン画の講習会を毎週開くなどこれからも魅力を広めていきたいと話している。