自民党では結党以来、派閥の力学が次の総裁を決めてきた。三角大福中と呼ばれる5大派閥の長が1970年代~1980年代にかけて総裁を務めた。その後、最も長い期間、総裁の座についたのが安倍晋三氏。戦後歴代最長期間の約8年8か月もの間、自民党総裁を務め、最大派閥「安倍派」の長として党内に圧倒的な影響力を持っていた。安倍元総裁の後を継いだ菅義偉氏は無派閥だったが二階派、細田派、麻生派、竹下派と巨大派閥から支援を受け総裁になった。カネと人事で求心力を維持してきた自民党派閥。そんな派閥が多額の資金を集める場としていたのが、政治資金パーティーだった。だがその政治資金パーティーがきっかけとなり、自民党の派閥政治は終焉を迎えた。派閥なき総裁選を勝ち抜いた石破総理だったが、次なる総裁選への動きは水面下で加速している。旧茂木派の中堅・若手10人は先月29日、国会内で会合を開き、総裁選前倒しを要求する方針で一致するなど、団結を強めている。石破おろしで党内が二分する中、総裁選が前倒しとなれば次の自民党総裁は誰になるのだろうか。
