2025年11月11日放送 23:00 - 23:29 NHK総合

未来予測反省会
「台風の進路を変えられる」

出演者
長谷川忍(シソンヌ) 影山優佳 
(オープニング)
今回は…

今回反省する未来予測は「台風の進路を変えられる」。毎年日本列島を襲う台風の数は平均11個となっている。2018年に日本を襲った「台風21号」は死者14人で公共建物被害は1,248棟となり経済損失額は1兆678億円となった。明治以降で最大の被害をもたらしたのは1959年9月の「伊勢湾台風」で死者・行方不明者は5,098人となった。台風の被害を減らせないかということで当時の新聞に未来予測が書かれていた。それから21世紀に突入したが、台風の進路を変えるのは夢のまた夢でいまだ実現していない。今後台風の進路をコントロールできる日はやって来るのか。

キーワード
中曽根康弘台風21号気象庁読売新聞
オープニング

オープニング映像が流れた。

台風の進路は変えられる
台風の進路は変えられる

本日天国からお越しいただいたのは台風の進路変更に関する未来予測をした気象学者の荒川秀俊。当時の科学技術丁が監修した「21世紀への階段」という本に掲載された未来予測は「台風の災害をくいとめる方法は(中略)進路のコントロールである。これが可能となった21世紀には(中略)台風を管理し奪いあって調節するというようなこともユメではない」という。いっしょに反省する専門家は台風シミュレーション制御研究の第一人者である佐藤正樹とスーパー台風を直接観測に成功した坪木和久と台風制御×社会的影響を研究している笹岡愛美。

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21世紀への階段(第1部)復刻版 40年後の日本の科学技術荒川秀俊
なぜ暴風雨に?台風の仕組み

そもそも台風は北太平洋西武の南シナ海で発生する熱帯低気圧の強いものだという。坪木和久はなぜ暴風雨になるかの仕組みを説明していった。風速17m/秒を超えると“台風”になるとのことだった。

“ドライアイスをまいて変える…結果は?”

台風制御の研究は米国が先行しており、1947年にドライアイスを散布した乗務員・科学者がいた。雲は0℃以下でも凍らない微小な水滴でできており、そこにドライアイスをまくと氷の結晶が発達し落下できる大きさに成長するという。ノーベル化学賞を受賞したラングミュア博士とシェーファー博士が考案したもので実際に飛行機から雲にドライアイスをまいて人工的に雨を降らす実験も行っていた。1954年・1955年と立て続けにアメリカはハリケーンによる大災害を受け、連邦議会は「国立ハリケーン研究プロジェクト」の実施を決定し1961年にハリケーン「エスター」でシーディングの実験を行った。その結果「風速が10%低減」し「実験は成功した」と発表された。

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アメリカ海軍アーヴィング・ラングミュアヴィンセント・J・シェーファー
米国で続いた“種まき実験”…その効果は?

ハリケーンの被害が多いアメリカではハリケーンをコントロールするという夢は続いていった。代表的なのは1962年にスタートした実験計画「ストームフューリー」であった。1963年のハリケーン「ボーラー」では最大風速が20%減少し、1969年のハリケーン「デビー」では最大風速31%減少とされた。だが1971年のハリケーン「ジンジャー」では効果なしとなりノースカロライナ州モアヘッド市に上陸し、損害額は約1,000万ドルとなった。反省ポイントとして一番大きかったのは実験が成功したのか失敗したのか全くわからなかったことだという。

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ストームフューリー計画
台風制御の実験に日本の世論は反対

2つ目の反省ポイントは世論が台風のコントロールに後ろ向きだったからだという。まず1971年と74年の「台風委員会」でアメリカが大西洋で行った「台風制御実験を太平洋でも」やりたいと提案。フィリピン・韓国・香港・タイなどは積極的だったが、日本は大反対であったという。

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読売新聞
動き出した日本の台風制御プロジェクト

2021年に日本が台風のコントロールに本腰を入れ、その名も「タイフーンショット構想」であった。そして佐藤正樹・坪木和久・笹岡愛美はタイフーンショット構想の中心メンバーであった。2021年に「台風科学技術センター」が発足し、日本中から科学者・技術者などの専門家が集結した。佐藤正樹は台風科学技術センターの台風予測研究ラボのラボ長だという。

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タイフーンショット気象庁
海水で台風を弱める!?“打ち水”作戦

佐藤正樹は海水で台風を弱める打ち水作戦について説明していった。

“台風の目”に突入!世界随一の観測技術

坪木和久は台風科学技術研究センターの台風観測研究ラボのラボ長であり、ジェット機を使って台風の目の中に入って直接観測をするという。無線機付き測定機「ドロップゾンデ」を使って観測することについて説明していった。

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ドロップゾンデ
台風制御 社会実験までのプロセス

笹岡愛美は台風科学技術センターの社会実装推進ラボ教授で、倫理的・法的・社会的影響をしっかり把握して周辺の非技術的課題についてのELSIの枠組みを研究しているという。

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ELSI
台風を“弱める”ことは可能?

台風の進路を変えるのは難しく、台風を弱めることが目標だという。台風制御での地球の気象へ影響については地球の平均温度や気候には影響はないとのこと。

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東京海上ディーアール
目標は2050年 未来のために今から

台風を弱める未来については2050年が目標だという。笹岡愛美は「台風を弱める技術を持つべき」と求めるのは十分に考えられることで計画をしっかり進めていきたいとのことだった。

(エンディング)
エンディングトーク

影山優佳は「私達がより良く自然と向き合い関わっていく方法がいろんな方のおかげで選択肢として増えているということはありがたいと思った」と話した。

次回予告

「未来予測反省会」の次回予告をした。

(番組宣伝)
LIFE!ヒットパレード

「LIFE!ヒットパレード」の番組宣伝をした。

SONGS

「SONGS」の番組宣伝をした。

総合診療医ドクターG NEXT

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知的探求フロンティア タモリ・山中伸弥の!?

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大河ドラマ べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~

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