- 出演者
- 長谷川忍(シソンヌ) 影山優佳
長谷川忍と影山優佳は自身の身長について話す。欧米人よりかなり身長が低かった日本人だが高度成長期にかけて体格は急成長し、半世紀前には「21世紀に入る頃には日本人男性の平均身長は米国人並みの175cmになる」と未来予測があった。実際に日本人男性の平均身長は戦後右肩上がりしたが、2000年の男性の平均身長は171.4cmと175cmには届いていなかった。その後も横ばいで現在も171cmのままである。なぜ日本人男性の平均身長は175cmに達せず171cmで止まってしまったのか。
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本日天国からお越しいただいたのは身長に関する未来予測をした長嶺晋吉。長嶺晋吉の1971年の未来予測は「20歳青年の身長は21世紀に入る頃には175cmとなって米国人の178cmに接近することとなろう」とのこと。
今回いっしょに反省する専門家は国立利部博物館の名誉研究員である馬場悠男と子どもの成長を医学の立場から研究している森崎菜穂と国立健康・栄養研究所署長の瀧本秀美。
長嶺晋吉に未来予測の理由を聞いていくこととなる。注目してほしいのはそれまでの平均身長の伸び率で戦後の日本人男性の平均身長は20年ちょっとで6cmも伸びており、たんぱく質は筋肉や臓器などの組織をつくる栄養素で戦後食生活の質が向上したことによりたんぱく質摂取量の増加が身長の驚異的な伸びにつながったという。特に貢献したのが学校給食制度で1962年の11歳男子の平均身長は給食実施校と未実施校で開きがあるとのこと。現在学校給食では摂取エネルギー全体の13~20%をたんぱく質から摂取するように基準で定められているという。そのため日本人男性の平均身長は1980年には170cmで1996年には175cmになるだろうと予測したという。
未来予測後の身長を見ていくと予測から大きく外れていったが、なぜ予測は外れてしまったのか。長嶺晋吉は身長の伸びにはたんぱく質とビタミンが重要であり「1日当たりのたんぱく質摂取量が約80g(動物性たんぱく質が約40g)カルシウムとビタミン類の低摂取水準の改善が必要」という条件を挙げていたという。食品としては特に動物性食品・牛乳&乳製品で果物などの供給増加による食の近代化が促進される必要があるとのことだった。それで未来予測をした1971年以降、たんぱく質の摂取量も伸びていくと思ったが予想外のことが起きたという。日本人1日1人あたりのたんぱく質摂取量の推移を表したグラフを見ると1995年を境に下がり、今では1950年代の水準になってしまっていた。
未来予測が外れた原因はたんぱく質の摂取量が減ったからだと長嶺晋吉は確信しているという。たんぱく質を多く含む牛乳の消費量も1990年をピークに減少していき、2000年まで順調に牛乳の消費量が伸びていたら日本人の平均身長は175cmに達していたはずとのこと。そのため反省ポイント1は「予想外のたんぱく質摂取量の減少」となっていた。
妊娠中も「やせてる方がいい」と思う人が1970年代後半から増え、生まれてくる子どもの体重が少なくなってきたという。未来予測がされた1970年代に比べ低出生体重児の割合が約2倍になり、1980年代以降に生まれた日本人の身長は低下傾向にあり今後成人男性の平均身長は170cmを切ることも予想されるとのこと。また若い人ほど運動習慣を持つ人が少ないのが課題で、運動習慣のある女性は60代に比べると少なく適切に食べるためには体を動かす必要があるという。そのため反省ポイント2は「日本社会の価値観の変化まで予測できなかった」となった。
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平均身長が伸びない原因は他にもあり、縄文時代は採集・狩猟時代で栄養がたくさん取れておらず遺伝的なポテンシャルとして縄文人は身長が高い集団ではなかったが弥生時代から古墳時代にかけて大量に渡来してきた人々がいて古墳時代の身長は急に上がっていた。江戸時代は皆で足りない食料を分け合っていたのが江戸時代で、身長が低くなって生き延びていったという。
江戸時代の米国人の平均身長は170cmで10cm以上の差があった。明治時代に入ると自分たちよりも明らかに背の高い外国人を見た日本人はコンプレックスを抱くようになり、夏目漱石の身長は159cmでイギリスでの生活を記した「倫敦消息」には「皆厭に背が高い(中略)ちっと人間の背に税をかけたら少しは倹約した小さな動物が出来るだろう」とあった。
明治以降の日本は身長が低いことを克服するため、積極的に栄養を取ることを推奨し富国強兵政策の一環で軍隊食に「肉食」を取り入れたり女性にも牛乳・肉食の摂取と体育参加を推奨し戦後から高度成長期にエネルギーの摂取量も増加したという。また戦後は母子保健政策で保健衛生にものすごく力を入れ、衛生状態が改善され感染症が減っていった。今の日本は非常に豊かで栄養的にも江戸時代などと比べればはるかにいいためもう摂取できる栄養は限界に達しているという。反省ポイント3は「遺伝的な限界を考慮していなかった」となった。
日本人男性の平均身長は世界の中で114位であり、平均身長180cm以上が16か国あるという。注目してほしいのは日本は東アジアでも平均身長が低いということ。
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日本人の身長が低い理由は2つあり、1つはベルクマンの法則という陸上動物は同じ種でも寒冷な地域に生息するほど大きくなる理論でシカを例に話していった。もう1つは島国の動物が小さいということで、エサの全体量が少ない所ではできるだけ体を小さくして生き延びるという。日本人の体は島国に住んでいるため小さめの体でもう一つはベルクマンの法則では暖かいか寒いかでいうと中間くらいとのこと。
瀧本秀美は2021年に「妊産婦のための食生活指針」が改定されて「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」になったという。「主菜」を組み合わせてたんぱく質を十分にとることが述べられており、妊娠中の体重増加についても基準が見直されたとのこと。また「健康美」が最近ワードになってきていて「細い」だけがいいことではなく、最近はパリコレにやせすぎのモデルは出てはいけないとなりキレイの概念・ボディーイメージが少しずつ変わっているという。
長谷川忍は「自分の子どももまだ小さいので食べるものも自分よりは気になる」などと話した。
「未来予測反省会」の次回予告をした。
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