- 出演者
- 長谷川忍(シソンヌ) 影山優佳
長谷川忍は野球についてやっていたのは町内会のソフトボール部くらいだという。始球式もやっており、相方が投手で長谷川忍は捕手であった。影山優佳は小学校の時に朝野球をやっていたという。人類は肉体の限界に挑み不可能と思われる記録を次々と塗り替えてきた。100mを9秒58で走り、42.195kmを2時間0分35秒で駆け抜け野球界でも以前では考えられないスピードボールを多くの選手が投げるようになった。中でも人類最速のボールを投げたのはアロルディス・チャップマン。その球速は170.3km/hであった。2010年に人類は初めて170km/hの壁を超えたが、それから15年は誰一人170km/hを超えられず180km/hは実現していなかった。
オープニング映像が流れた。
本日反省する未来予測は「野球のピッチャーの球速は180km/hになる」について。6年前の2019年の未来予測であり、この未来予測をしていたのは川村卓。大谷翔平を超える夢の剛速球投手誕生を予言し「180キロくらいではないか」と推測していた。野球を科学的に分析するスポーツバイオメカニクスの第一人者である川村卓教授は選手の動作を解析し、球速アップやバッティング向上につなげていた。工藤公康や吉井理人も教えを求めに来たという。
なぜ予測をしたのかというとここ10~15年で急激に投手の球速が上がっていって、プロ野球の平均球速は10数年前の141km/hから上がりメジャーもどんどん上がって全体的に球速が上がっている状況であり180km/hも出るんじゃないかと予測したという。外野手のバックホームの球速は170km/hくらい出ており、投手が170,180km/hを投げる可能性もあるとのこと。
一緒に反省する専門家を紹介となり、まずは現役生活22年で日米通算165勝をあげた元福岡ソフトバンクホークスのエーズである和田毅。野球データアナリストの星川太輔は2023年WBCでの世界一にも貢献した。早津寛史は未来予測社の川村教授とともに野球を科学的に研究してきた。
なぜ球速180km/hが実現していないのか反省していく。メジャーリーグの平均球速のグラフでは2024年になると平均球速151.6km/hまで上がっていた。NPBでも平均球速は伸び続けており、2020年以降は160km/hを超える日本人ピッチャーが続出したという。和田毅の高校時代は130km/h出るかどうかで当時の松坂大輔で151km/hであったとのこと。ここでレジェンドゲストとして日本界唯一の400勝投手である金田正一が登場。球速は速い方が打たれにくく、ピッチャーからホームベースまで18.44mで150km/hのボールだとホームベースまで0.4秒で到達するという。
最近なぜ球速は上がったのかというと、モーションキャプチャーや高感度カメラなどで解析する生体力学が浸透してきているのが一つの要因だという。「いかに腕を速く振れるか」が重要で、手の甲が上を向くのは肩関節が内旋する動きでこれを速く行うことがポイントとなる。腕を速く振るには腕を後ろに引くのが重要で「肩関節の柔らかさ」が必要になる。大谷選手は肩関節が非常に柔らかいとのことだった。他には「身長」があり、身長が高いと腕も長く腕を振る距離が長くなり遠心力で投げる球が速くなるという。他にも体幹を回す動き・倒す動き・股関節の動きでいろんな要素をクリアすると球速は上がっていくとのこと。他にもウエイトトレーニングで筋力が向上し出力が上がったのも影響があるとのことだった。ダルビッシュ選手は野球の動きは瞬発的な動きが多く「長距離走は意味がない」と言っていたという。またみんな150km/h出るので3割バッターが年々減っており近年は「投高打低」とのことだった。
なぜ180km/hに届かないのかというと、ある計測器を使うようになったからとのこと。
いつから球速を測り始めたのかというと、始まりは100年以上前のアメリカであった。この時に使われたのは弾丸の速度を測る機械。剛速球で慣らしたウォルター・ジョンソンの球速をこの方法で測ったところ134km/hだったという。それからおよそ30年後には138km/hで走るオートバイとの比較で球速を計測していた。ただこの方法は誤差が大きく、これっきりの実験になっていた。1974年には画期的な計測器が登場し、それは「スピードガン」である。自動車のスピード違反を取り締まるために警察が導入したレーダーをヒントに開発され、野球界にとって画期的な発明品となった。そのためスピード計測器の登場により球速を競う時代になっていった。金田正一は1969年に現役引退となり、1974年にスピード計測器が登場したため“球速”を計測していなかった。
2003年に野球の価値観を大きく変えるもう一つの計測器が登場。それは「弾道計測器」で軍事技術を応用して造られた計測器だという。球の球速だけではなく、球の軌跡がどう動いてるとかを細かく追跡して記録するとのこと。弾道計測器で取得できるデータは大きく4つに分かれており、「投手が球を話した位置」「球が到達した位置」「球の縦・横方向の変化量」「球の回転」となっていた。
弾道計測器が球速の伸びない原因になっているかについてはその一つとしてはあるかもしれないということで、球のキレが可視化されるのは一つの原因かもしれないという。縦方向の変化が大きいボールがキレのあるボールとのことだった。和田毅もスピードよりもキレで抑えるタイプであり、最高球速149km/hだったが日米で165勝を挙げていた。球の見どころが見えづらいフォームに打者はギャップ(キレ)を感じるという。そのため反省ポイント1として「弾道計測器によってキレが可視化され、球速以外にバッターを抑える手段が増えた」となった。現在は1秒あたりの撮影コマ数の多い映像をもとに球を追跡・記録する映像トラッキングシステムも出てきていた。
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今、160km/hを投げられたら抑えられるが球速が上がるほどケガのリスクが高まるという。特にひじの靭帯のケガが多く、トミー・ジョン手術という自分の体の腱を移植して再建するという手術を話していった。和田毅も2012年メジャー移籍した年の5月にトミー・ジョン手術を行い、2022年には41歳で自己最速の149km/hを記録していた。そして反省ポイント2は「球速を求めるとひじ(靭帯)のケガのリスクが高まる」となった。
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180km/hは無理かというと可能性はゼロではないとのこと。170km/hは異常値みたいなもので2010年前後に169km/h付近を投げてた人はいなかったが、特別なフィジカルを持った選手が出てくれば可能性は出てくるとのことだった。
最近の野球界について、川村教授はマイナーリーグには個性的な選手はほぼいなくて同じような打ち方をしている選手が多いとのこと。また今は個性よりもデータを重視しており、データ野球の先は“個性”の時代になってくるのではないかと話した。
長谷川忍は「野球はそんなに詳しくなくて球が速ければいいと思っていたが、できればケガしないほうがと思った」と話した。影山優佳は「個性が沢山出てくる野球の魅力がさらに増えるような時代が来てくれたらいいなと思った」と話した。
「未来予測反省会」の次回予告をした。
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