成人女性が歌舞伎座の本公演に出演するのは異例で演目は山田洋次監督が脚本・演出を手掛けた文七元結物語は江戸時代の人情劇である。元となった作品は寺島しのぶさんの父・尾上菊五郎さんも演じていた。寺島さんは長兵衛を演じる中村獅童さんの妻役を演じている。寺島さんは父が人間国宝の尾上菊五郎さんで弟は尾上菊之助さんと歌舞伎の名門音羽屋の長女である。男社会の歌舞伎は子役での出演を除くと、原則女性が歌舞伎の舞台に立つことはない。400年以上続く歌舞伎の起源は出雲の阿国から始まった女歌舞伎で並行して美少年が行う若衆歌舞伎があった。風紀を乱す理由で江戸幕府によって禁止になった。最終的には野郎歌舞伎という男だけがやる歌舞伎となった。寺島さん出演を後押ししたのは幼馴染の中村獅童さんである。