高騰する野菜をめぐって、50代女性は「農家さん?幸せだなって。自分のところで食べられるじゃん、採った野菜が。私も土地があったらやりたいな」、70代女性は「自分たちで作っている野菜は自分たちで食べているんだろうし、うらやましいと思っちゃいけないんだろうけど、買わなくていいのかなって」と話す。そこで、実際に野菜を作る農家さんの食事を見せてもらった。訪れたのは、1シーズンで15種類ほどの野菜を収穫している農家「中西ファーム」。この時、ちょうどお昼休みで、中西ファーム・中西雅季さんが食べていたのは、この時期に出荷が多いアレッタ。あまり聞きなじみのない名前だが、アレッタはブロッコリーとケールをいいとこ取りした栄養抜群の野菜。その味は、ほろ苦いブロッコリー。独身の男性農家が食べていたカップ麺も、アレッタでグレードアップ。昼食を彩るアレッタは市場に出荷するものではなく“ワケあり”の野菜で、無駄にしないように自分たちで食べていた。では、農家のみなさんは一体いくらぐらい食費にかけているのか?この日、中西ファーム・中西雅季さんのお宅の夕食は、具だくさんの鍋。畑で採れた旬のほうれん草などの野菜に肉を入れた、この時期ならではの鍋で、2人前にかかった金額は米と肉代のみでおよそ700円だった。一見、野菜がタダな分、お得に生活しているようにも思えるが、農家ならではの苦悩も…。燃料価格などの高騰で、ハウス栽培で野菜を作っても赤字になることもあるという。そうした状況のため、今、様々な野菜の値上げが相次いでいる。それでも、中西ファーム・中西雅季さんは「(農家側も)もうけているって感覚はないんじゃないですか。申し訳ないっていう気持ちが多いんじゃないかなとは思います」と話す。そんな中西雅季さんは野菜高騰の中でも値上げせず、直売会などで販売しているという。その分、損をしているのではないか?と聞くと、中西雅季さんは「安く売っているから損っていうのは全くなくて、直接、畑まで足を運んでいただけるお客さんがいるというのは、非常にありがたい。買いに来てくれるっていうことが、ありがたい」と話し、今後もできる限り値上げはしたくないという。ということで、みなさんの食費を調べてみたら、物価高騰に多くの人が困っている一方で様々な工夫で乗り切ろうとしている人もいて、さらに野菜の価格がこれ以上上がってほしくないという思いは消費者だけでなく、生産者も同じように思っていることが分かりました。