AIエンジニアで企業家・作家の安野貴博(33)。安野は「他の候補者と比較して唯一違うことをしていたのは“双方向の選挙”だった。マニフェストをどんどんアップデートしていくことをやっていたので、その姿勢が評価されたと思う」と話す。選挙期間中、24時間質問に答えるシステム“AIあんの”には約8600件の質問が寄せられ、実際に有権者の意見を反映して当初のマニフェストを変更していった。“AIゆりこ”は一方的に話すだけだが、安野は最新のAI技術を使って質問に答えられるようにした。小池都知事は「AIを得意とする候補者がいるので、この方の実績などをぜひ東京都でも生かしたい」と述べた。日本維新の会・藤田文武幹事長も「安野から我々が学ぶことはあると大変感銘を受けた。意見の集約の仕方やプロジェクトの進め方がビジネスマンとしてプロ」と話す。さらに妻・里奈の演説も大きな注目を集めた。里奈は出版社に勤務し小説の編集者で、これまで演説の経験もなかったという。都内にある選挙ポスターの掲示板1万4230ヵ所の全てにポスターを掲示できたのは組織力の大きな候補者のみだったが、安野は新たな手法ですべての掲示板にポスターを掲示し話題となった。掲示板の場所をグーグルマップにプロットしてゲーム感覚でボランティアに貼ってもらった。このシステムを約4日で完成させたという。ポスターの印刷代以外ほとんどお金はかからなかった。