東京のベンチャー企業が開発した小型ロケット「カイロス2号機」がきょう、和歌山県から打ち上げられる予定。このロケットに、地域の希望を載せて応援する動画を作り続けるクリエーターがいる。動画クリエーターの大見晃生さん。和歌山県串本町で生まれ育ち、地域の魅力を伝える動画を制作している。海と山の自然や観光名所など、地元の宝を映像に収めて編集し、動画投稿サイトやSNSで発信する活動を続けてきた。ことし3月13日、串本町の発射場で行われた小型ロケット「カイロス初号機」の打ち上げ。大見さんは打ち上げ成功の瞬間を捉えようと、見学場となった海水浴場でカメラを構えた。しかし、カメラが捉えたのは打ち上がるロケットではなく立ち上る煙と破片だった。大見さんは自宅に戻って動画の制作に取りかかり、その日のうちにSNSに投稿した。動画の最後の部分には、次への願いを込めて打ち上げ成功をイメージしたCGを挿入した。その後、動画を見たという人から反響が寄せられたという。大見さんは再挑戦するカイロスを知ってもらおうと、開発した企業の協力のもと、新たな動画の制作に取りかかった。カイロスのミッションは、人工衛星を地球を回る軌道に投入すること。成功すれば国内初の民間単独の衛星の打ち上げとなることなどを、地元の大学生が分かりやすく紹介した。5つのミッションとは、射場の完成、カイロスの完成、初号機の打ち上げ、人工衛星の軌道投入、そして宇宙宅配便サービスの実現。大見さんの今の最大のミッションは、打ち上げの成功を捉えた動画を作ること。公開する場所は、来年4月に串本町にオープンするロケットのPR施設「Sora−Miru」のシアターに決まった。国内初の民間単独での衛星の打ち上げ。そして地域活性化へ、希望を載せたカイロス2号機。大見さんは打ち上げの瞬間を心待ちにしている。