丸紅経済研究所・今村卓さんの解説。バイデン氏は2020年も予備選の序盤で連敗して撤退欲求が噴出し、本選で結局トランプ氏に競り勝った実績があるので今回も不屈の精神で乗り越えられるとバイデンは確信しているという。ただ、今回乗り切ることはかなり難しく、大統領選から撤退すべきとの意見は全有権者の7割強に達している。バイデン大統領は今後について、まだまだ強気の姿勢を続ける一方でやはり撤退を決断する局面も来てもおかしくなく、民主党の交代を決められるのも実はバイデン氏だけである。候補は他に誰になるのかについては今週からNATOサミットがあるので、早期の決断はない。現時点では急速に民主党内ではハリス副大統領が有力という見方が強まってきている。ハリス副大統領はバイデン氏以上に不人気とされているが、資質実績ということで見ればカリフォルニア州のニューサム知事やミシンガン州のホイットマー知事の2人が有力という見方がある。しかしこの2人は知名度は限定的で時間がないという。トランプ氏も実は候補交代に脅威を感じていて、ある意味バイデン氏とトランプ氏は相互依存で、互いにこの相手なら勝てると踏んでいる。バイデンとトランプ両氏を嫌っていたダブルヘイターと言われる方々がハリス氏の支持に動いてくる可能性もあるので、これから先候補を入れ替えた場合、近年例がない展開になる。大統領選の慣例は通用しないのでその意味ではこの選挙戦は未知数であるという。