久代さんが40代の頃に知ったのが“触手話”の存在で、目と耳の両方に障害があっても他の誰かと会話ができると、久代さんは次第に本来の明るさを取り戻していった。触手話ができる介助者をお願いしては積極的に外に出かける毎日で、そんな時にボランティアを始めたばかりの好彦さんと出会ったという。その時は手話を覚えている最中で、しゃべるのが精一杯だったが何度か外出するうちに交際するようになった。2人は2年の交際を経て、2001年4月に結婚。好彦さん54歳、久代さん51歳。山深い丹後の村で、久代さんも一緒に土と生きる暮らしが始まった。
去年秋、稲刈りを終えると農作業は一段落となり、2人が散歩する時間も増えるという。好彦さんは季節の変化を見つけては久代さんに触手話で伝えていた。久代さんはこの時期になると、初めて体験した稲刈りを思い出し、好彦さんが農業一筋だということに気が付いたのだという。久代さんは自分でも植物を育て始めている。知人からもらったという苔玉に水を与え、毎日指先で小さな変化を確かめている。
去年秋、稲刈りを終えると農作業は一段落となり、2人が散歩する時間も増えるという。好彦さんは季節の変化を見つけては久代さんに触手話で伝えていた。久代さんはこの時期になると、初めて体験した稲刈りを思い出し、好彦さんが農業一筋だということに気が付いたのだという。久代さんは自分でも植物を育て始めている。知人からもらったという苔玉に水を与え、毎日指先で小さな変化を確かめている。