- 出演者
- 天野ひろゆき(キャイ~ン) 神田愛花 ウド鈴木(キャイ~ン) 上川隆也 樋口日奈
シリーズ第6弾は巨大貨物船の日本一周に密着する。
オープニング映像。
1隻目は神永丸。トラックが農産物などの貨物を積み込み、210台の車両を降ろし、254台を積み込んだ。スロープをたたみ、午後5時に釧路港を出発した。仙台、東京、大阪、苫小牧を経由して釧路に戻る。乗組員は13人で、少ない人数でも運航できるよう最新機器を装備している。仙台港までは19時間の航海。1日6交代4時間ずつブリッジで見張りをする。着岸するポイントは幅が狭いため、出港する船がいるとすれ違うのが難しい。港の無線局に連絡して調整してもらい、ポイントに着岸した。この春に沖縄水産高校を卒業した甲板員の仲松さんは、現在見習い乗船をしている。
物流を円滑にするため貨物船は定刻に到着しなければならない。仙台港では生鮮食料品や車両などが搬出された。貨物船のフロアを行き来するスロープには可動式がある。仙台港では化学薬品や重機、自動車などを積み込んだ。31台の車両を降ろし、90台を積み込んだ。定刻より2時間早い午後1時30分に仙台港を出港した。次の東京港には午後7時30分に到着予定。
一番下の機関室にはメインエンジンがあった。メインエンジンがプロペラを回して船を走らせている。メインエンジンの出力は約2万1600馬力。3台で4500kWの発電ができる発電機も積んでいる。
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- 神永丸
福島県沖を航行中、2人の乗組員が食堂へ。ごはんとみそ汁は自分でよそい、おかずはテーブルにセットされている。司厨長という調理担当の乗組員が毎食用意している。船では常に働いている人がいるため、交代で食べられる人から食事をしている。
神永丸は夜通り走り続け、房総半島の先端までやってきた。東京湾は大型船だけでも1日約500隻の通行があり、湾内の港を目指す船で渋滞する。浦賀水道航路と中ノ瀬航路の決められたコースで追い越しは禁止。狭い航路を安全に航行するため旗で行き先を知らせる。通行する航路の幅は700mで、混んだ間を抜けなければいけない。定刻より30分早い午前7時に東京港に到着した。乗組員は2か月乗船して1か月休暇のサイクル。仲松さんは見習い乗船を終えて下船した。故郷の沖縄で休暇を過ごすという。
東京港では食品、衣類、自動車部品などを降ろした。大塚倉庫の物流センターに届けられた積み荷は炭酸栄養ドリンク。ドライバーの負荷が軽減され、環境にも優しいため船便で運んでいる。栗林運輸のお台場倉庫に届けられたのは巻き取り紙。宮城にある日本製紙の工場から、新聞に使われる長さ16キロのロール状の紙が1日100~200本が送られてくる。読売プリントメディア東京北工場では1日約90本使用している。積み荷を降ろしたトラックには古紙を積み、船で製紙工場へ運びリサイクルする。
港に停泊する神永丸は、黒い船から燃料を補給した。1回で150kLを給油する。週1回の給油で、東京~大阪~東京~仙台~苫小牧~釧路を航行できる。
神永丸には乗組員が外出時に使える自転車が備え付けられている。乗組員の小倉さんは自由時間に自転車に乗ってスーパーで買い出しをした。東京港では荷物の積み下ろし時間が長く、外出する乗組員が多い。
積み荷作業ではスロープの高さを調整していた。積み下ろしで船の重さが変わるとスロープがくの字になるため、トラックが下をこすらないように高さを調整する。東京港では食品、鉄鋼、木材などを積み込んだ。トラックを駐車させると、動かないように船と車両をチェーンで固定した。156台の車両を降ろし、304台を積み込んだ。
午後0時30分に東京港を出発した。次の大阪港には午前10時到着予定。夜明け前に神永丸は紀伊半島と四国の間に到着した。幅約2800mの友ヶ島水道には大阪、神戸、瀬戸内海などに向かう船が集中し、1日平均400隻以上が通行する。漁船は魚を求めて縦横無尽に動くので注意が必要。漁業が盛んな大阪湾には多数の漁船がいた。
漁船集中エリアを避けるため、遠回りの淡路島ルートか最短距離の関西国際空港ルートを選択することになった。海上交通センターからは淡路島ルートを提案されたが、船長は漁船集中エリアを避けるため関西国際空港ルートを選んだ。午前9時15分に大阪港に到着した。
大阪港では工業製品や自動車部品などを降ろした。363台の車両を降ろし、352台を積み込んだ。AGCの工場に運ばれたのはガラス。鹿島工場で製造した巨大なガラスを全国18か所の工場に輸送し、ガラス製品に加工する。よも川工場ではペアガラスを製造している。物流の2024年問題が懸念される中、船での輸送には追い風が吹いている。新車のトラックも降ろされた。いすゞ自動車の藤沢工場でキャビンが作られ、日本フルハーフ厚木工場でボディーを作る。大阪のサービスセンターで納車前のチェックを受けるため、トラックに負担の少ない船で輸送している。
2隻目は琉球エキスプレス2。大阪、志布志、名瀬、那覇、北九州を結ぶ。乗組員は14人。荷物を降ろすと船が軽くなるため、タンクに海水を入れて船を重くする。荷物を積んだら海水を出して軽くする。大阪港では飲料や米、日用品などを積み込んだ。新車の観光バスも貨物の一つ。沖縄では観光バスの需要が伸びている。出港時はキャプテンがブリッジの外にあるウイング操縦盤で操船する。205台の車両を降ろし、305台を積み込んだ。午後6時30分に大阪港を出港した。次の志布志港には翌日午前10時に到着予定。乗組員は4時間交代で深夜でも運航している。
定刻通り午前10時に志布志港に到着した。志布志市は九州南部の物流拠点となっている。停泊中、ホースで船内で使う水1万5000Lを積み込んだ。志布志港では食品や産業資材などを降ろした。11台の車両を降ろし、11台を積み込んだ。午前11時に志布志港を出港した。