今年イギリスで開催されたマーマレードの大会で初出品ながら金賞を受賞した愛媛の女性の秘訣と今後の挑戦を取材。かつては保育所で廃校になったところを工房として使用している。久保田有希子さんは本格的に作り始めてわずか2年、愛媛県内の桃やキウイなどを使って20種類以上を作ってきた。マーマレードは世界コンテストでの金賞をはじめ、国内のコンテストを合わせると今年だけで8つの賞を獲得している。金賞を受賞したライムマーマレードは皮から生まれる香りと食感の良さで満票で金賞に輝いた。かんきつと甘味料だけを煮詰めて作るマーマレードはほんの僅かな違いが出来に大きく影響する。久保田さんの一番のこだわりは香り。皮の厚さを0.1ミリ単位で調整する。果実一つ一つの硬さに応じて厚みを変えていくことがマーマレードの香りの良さにつながる。もう一つのこだわりはゼリー部分の硬さ。柔らかすぎると皮が動いて沈んでしまう。出来栄えを左右するのが煮込み時間で、時間によっては香りが無くなったり味が悪くなったりするため非常に難しい作業。久保田さんのマーマレード作りのきっかけを作ったのが果樹農家の青木正利さん。久保田さんは、プラムを頂いてお礼にジャムを作って渡した時に売らないの?と言ってもらったのがきっかけだと話した。久保田さんが今目指しているのが青木さんの果物を使って作る久万高原町ならではのマーマレード作り。久保田さんのマーマレードは道の駅でも人気を集めており、世界大会の金賞受賞後売り場は広がっている。久保田さんは、「愛媛のかんきつや久万高原町の食材も豊富なので海外に向けて良さを伝えていけたら、久万高原町のものを積極的に使ったものづくりをして恩返しが出来たらいいなと思う」と話した。
