長崎県にある平和祈念像。平和を表現するために筋骨隆々で裸体の男性。作者の北村西望は、何故この姿にこだわったのか?今年八月にその答えとなる資料が発見された。北村が、井の頭自然文化園い移る前にアトリエとして使っていた東京・北区の建物。その資料は平和祈念像の構想の段階で北村が作っていたスクラップブックとメモ書きの雑記帳。像のポーズに試行錯誤をしていたことを伺わせるスケッチが。高さ9.7mの像よりもさらに大きな12mの像を計画していた。そして雑記帳には表情のデッサンが残っていた。女性のように見える顔もあった。北村のほとんどの作品にはモデルがいたが、思案を表現するためにモデルを使用しないとした。さらにはたくましい造形の真実に迫る新たな言葉も。彫刻的な内容は人間的なものは非人間的なもの、エクストラヒューマンなものと完全に変化したものというメモ書きが残されていて、平和祈念像をさしているという。人間を遥かに超える存在でなければ平和をもたらすことはできないのではないか?だから像はアレほどの巨体に分厚い筋肉をまとわせる必要がったのではないかとされる。また不思議な足の組み方にも人間を超越した意味が超められている。
住所: 東京都武蔵野市御殿山1-17-6
URL: http://www.tokyo-zoo.net/zoo/ino/
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