京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞でノーベル賞に輝いてから12年余、大阪大学発のベンチャー企業「クオリプス」が、iPS細胞から作った心臓病の治療に使う細胞シートについて、厚生労働省に製造販売の承認申請を行ったことが分かった。重い心臓病の患者8人の心臓にシートを貼り付けて移植する治験を実施したところ、患者はいずれも疲労感や動悸などの症状が軽くなり、半数以上は心機能の数値も改善。国に承認されれば、iPS細胞を使う治療としては世界初と見られる。開発責任者の澤芳樹特任教授は「心臓病で死なない世界を作りたい」と語った。
慶応大学などのグループは脊髄を損傷して体が動かせなくなった患者に、iPS細胞から作った神経のもとになる細胞を移植する臨床研究を行い、運動機能の改善が見られたとしている。また、中国の研究グループはiPS細胞から作った細胞を糖尿病の患者に移植し、インスリンの投与が必要なくなるまで回復したとする論文を発表。今回、承認申請が行われた細胞シートの技術を使ったミニ心臓は、13日に開幕を控える大阪・関西万博で展示する。再生医療の研究・開発状況に詳しい八代教授は「iPS細胞を開発した国として、世界の中でルールを主導していくべき」と指摘した。
慶応大学などのグループは脊髄を損傷して体が動かせなくなった患者に、iPS細胞から作った神経のもとになる細胞を移植する臨床研究を行い、運動機能の改善が見られたとしている。また、中国の研究グループはiPS細胞から作った細胞を糖尿病の患者に移植し、インスリンの投与が必要なくなるまで回復したとする論文を発表。今回、承認申請が行われた細胞シートの技術を使ったミニ心臓は、13日に開幕を控える大阪・関西万博で展示する。再生医療の研究・開発状況に詳しい八代教授は「iPS細胞を開発した国として、世界の中でルールを主導していくべき」と指摘した。