円安を背景に多くの外国人観光客が日本を訪れているがマナーなどを巡って地元住民との摩擦が生じるケースが目立っている。こうした対立を解消しようと作られたのがツーリストシップという新たなことば。墨田区の観光協会が開いた観光客向けのクイズ大会で伝えているのが、スポーツマンシップならぬツーリストシップ。ポイ捨てをしない、騒音に気をつけるなどの旅先への配慮。地元の文化や歴史に親しみ地場のお店を利用するなどの地元への貢献。そして交流を楽しむことなど旅先で好かれる旅行者になるための心構えを指す新しいことばだ。5年前から団体を立ち上げこのことばを広めている社会起業家の田中千恵子。これまで全国15の観光地でイベントを開催してきた。みずからも旅行が趣味の田中は学生時代に観光客を見る地元住民の複雑な感情を肌で感じたのが発案のきっかけだった。先月、田中さんは京都の人気観光地、錦市場を訪れた。ここでは食べ歩きによるポイ捨てや客どうしのトラブルなどが問題になってきた。商店街もポスターの掲示などで注意喚起を行っているが難しさも感じている。先月、田中さんは修学旅行で京都を訪れた中学生たちと外国人観光客にツーリストシップを伝えるイベントを開いた。クイズを出すのは修学旅行生たち。旅は地元で生活している人たちに意識を巡らせることでよりよいものになるろということを中学生とともに伝えた。