日本時間午後2時すぎ、習近平国家主席とともに世界遺産「天壇公園」を訪れたトランプ大統領の映像が流れた。天壇は中国の明・清の皇帝たちが祭祀や豊作祈願を行った場所で、中国側の歓迎ぶりが現れているのではないかとも言われている。きょうはこのあと人民大会堂で国賓を迎える晩餐会が開かれる予定。アメリカの大統領が中国を訪問するのはトランプ大統領の第一次政権でトランプ氏が訪れて以来9年ぶりとなった。きょう午前に首脳会談が開かれたが、その中で習近平主席が米中関係における最も重要な問題だと強調したのが「台湾問題」だった。さらにそのなかで日本政府も注目しているのがトランプ大統領が台湾独立についてこれまでの立場を変えるのかどうかという点。中国は「1つの中国」という考えを原則としているので、台湾独立については反対の立場。アメリカは台湾独立についてあいまいな表現に留めていた。バイデン前大統領は「台湾独立を支持しない」という表現は使ったが、明確に「独立反対」と言ったのは歴代大統領で1人もいない。だからこそ今回中国はトランプ大統領から「台湾独立反対」のような明確な中国寄りの発言を引き出すことを狙っている。専門家によると「支持しない」と「反対」では「ニュアンスにかなり違いがあるという。「支持しない」はもし台湾が独立するとなっても支持しないだけで止めることはない。一方で「反対」となれば独立に向けた動きがあればそれを止めるような台湾への強いメッセージになるとのこと。これまでアメリカは台湾に武器を売却するなど軍事的支援で関係を強めてきた。もし「独立反対」となると、アメリカからの武器がストップする可能性もあり、台湾の軍事力が低下し立場が危うくなる。さらに日本も他人事ではないという指摘がある。中国と台湾の関係悪化となれば最悪の場合、武力衝突に発展し、日本が巻き込まれる恐れもある。武力衝突にまでいかなくても台湾には半導体大手の「TSMC」があり、中国に取り込まれたりすると日本にも子会社があるため経済的に大きな影響が出ることが心配されている。さらに専門家はアメリカが反対の立場をとった場合、日本はどうするのか台湾や中国に聞かれることになるとしている。日本はこれまでアメリカと一緒に台湾が力ずくで中国の一部にならないようにしてきたが、アメリカから完全にはしごを外されるかたちになるという。日本だけが中国と対立するかたちになりかねないとのこと。首脳会談が始まる前の時点では日本政府内には「これまで数々の予想を覆してきたトランプさんなのでなんとも言えない」という声もあったが、事前にベッセント財務長官などアメリカ側に日本の考えを伝えていたため「腰を抜かすようなことはない。アメリカが対中政策を大きく変える話にはならない。」と楽観的な声が多く聞かれていた。日本にとっては“良すぎても悪すぎても良くない”。トランプ大統領が波風を立てるような発言はせずに米中関係が現状維持のまま安定的に終わることが日本としても理想のシナリオと考えられていた。きょうここまでに分かった最新情報として、米中首脳会談のなかで習近平主席から「台湾問題を適切に処理できなければ両国は衝突し、米中関係を危険な状態に追い込むことになる」などと「台湾独立」に反対する趣旨の発言があった。これに対しトランプ大統領は首脳会談のあと天壇公園を訪れた際に記者から「台湾問題について話したか?」と聞かれるも何も答えずにその場をあとにしている。現在のところアメリカ側が台湾問題にどう触れたのかは情報として入ってきていない。米中首脳会談はあす午前にも設定されていて、その後はお茶会やワーキングランチなどの行事が続いたあと、トランプ大統領は午後に北京を発つ予定、などと伝えた。
