モニターに向かって男性が行っているのは、命を救うための訓練。これは災害発生時を想定した「さけべ!!!」いうゲームで、声かけで危険を伝えて避難させた人数と早さを競う。「ちょっと大げさに叫ぶって書いてありますけど、それくらいの勢いで気持ちを伝えるのは、すごく重要」「すごく身近で人を救うことができる手段は“声かけ”だなと思ったので」と話すのは、「さけべ!!!」を開発した東京大学大学院の犬田悠斗さん。ゲームを開発するきっかけとなったのは、能登半島地震で撮影された1本の動画。発災直後に住民が高齢女性に声をかけて津波から避難することができたというもの。犬田さんは「本当に間一髪、知人の声かけで津波から免れた動画を見て、声をかけることは人の命を助けることに直接的につながるんだなと思って」と話す。小さい頃から多くの被災地に足を運んでいたという犬田さんは、“声かけで一人でも多くの命を救いたい”と楽しく声かけ練習ができるゲームの開発を行っている。犬田さんは「避難訓練とか防災訓練でも声かけの重要性は多分、言われているんですけど、練習が全然ないですし、楽しく練習できる機会は価値があるのかな。このゲームがちょっとになると思うんですけど、その一助になれればなと思っています」と話す。