ことし1月、埼玉県伊奈町に住む80代の女性の固定電話に義理の息子を名乗る相手から電話があった。相手は、せきが出るので声が違って聞こえるかもしれないとしたうえで会社の女性を妊娠させてしまった。相手の夫から慰謝料を請求されている。示談金が必要だと言った。話を信じた女性は相手の指示に従ってさいたま市内の路上で義理の息子の代理人だという者に会うと現金合わせて350万円を手渡してしまった。詐欺グループが子どもや孫のふりをしてさまざまな理由でお金を要求するのは典型的な特殊詐欺の手口。男女間のトラブルによる慰謝料を名目にするのも珍しくない。個人的な内容にしたり誰にも話さないでと口止めしたりするのも周囲に相談されて詐欺が発覚しないようにするねらい。電話でお金を要求されたら話をすぐには信じず詐欺を疑って家族や警察に相談を。